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高年齢者雇用安定法
~見落とされがちな労働関係法規(5)~         ● 2007年11月号

■  高年齢者雇用安定法改正の目的と現実…
少子高齢化の急速な進展に伴い、今後の労働力人口減少が見込まれる中で、我が国の経済社会の活力を維持するためには、高い勤労意欲を有する高齢者がその知識・経験を活かし、社会の支え手として活躍し続けることが必要です。そのためには、高齢者が、少なくとも年金支給開始年齢までは、意欲と能力のある限り働き続けることができる環境の整備が必要であるため、昨年4月に高年齢者雇用安定法改正が行われました。この法改正により、企業に対し、従業員に65歳までの就労機会を与えることが義務付けられたところですが、企業の多くは定年の廃止・引き上げではなく、再雇用での対応が大多数のようです。企業側は「団塊の世代」の退職に危機感を持ちながらも、再雇用制度で人件費を抑えようとしています。

高年齢者雇用安定法 ■  高年齢者雇用安定法に違反すると…
改正法に違反しても罰則がありません。また、再雇用制度を活用すると、その際に賃金を下げることができるため、企業の選択肢としては、当然負担の少ない形を選ぶ傾向となります。さらに、再雇用制度適用対象者の基準を設けることができるため、法改正本来の目的達成には、またまだ遠い道のりがありそうです。中高年齢者を取り巻く雇用情勢は、若年層と比較すると非常に厳しく、離職後の再就職は困難を極めています。60歳定年で離職すると、失業給付受給後は老齢年金が支給されるまで無収入状態となります。このようなことを考えていると、高年齢者雇用安定法の遵守とは、改めて企業の社会性が問われる問題なのだと痛感します。

労使慣行のみで定年後の再雇用!

かつて55歳定年制の時代に退職した社員が、会社には定年後の再雇用の慣行があったとして、労働契約関係存在確認等を請求し、最高裁は、特段の欠格事由がない限り嘱託として再雇用するとの労働慣行が確立しているものと認めました。(大栄交通事件・最二小昭和51.3.8)

【注意】 再雇用制度適用対象者の基準が厳しすぎると、この判例と同様の申立てができる可能性があります。あまりにも、適用対象を絞り込むような基準は労使トラブルを引き起こす原因となる可能性があります。



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