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事務所だより

トラブル発生時の労務管理!! ~その懲戒処分に問題はありませんか?~
● 2011年8月号

賞罰委員会の必要性について…!!

ほとんどの企業が“表彰”“懲戒”を就業規則に規定していると思いますが、事案発生時の運用はどのようにしておられるのでしょうか。“表彰”の場合は、“良いこと”ですので、社長や総務部長が独断で決定しても問題ないかもしれませんが、“懲戒”となると「事実の確認」「程度の判断」「情状」などさまざまな問題が輻輳します。これを一方的に決定し、処分を科すことは、使用者の処分権濫用と判断される場合があり、後々大きな問題となる可能性があります。

重要なことは、懲戒処分を適正に行うために、“第三者の意見を聞く機会を設ける”、“懲戒対象者に弁明の機会を与える”ことですので、何らかの手続が必要です。

この手続として、賞罰委員会等による諮問を行うことが法律上求められているわけではありません。しかし、賞罰委員会が設置・運営されることで「処分が適正な手続きを経て行われたものである」という処分決定の合理性を高めることができます。

賞罰委員会の組織や運営・役割については、就業規則等により各企業が自由に定めることができます。単に意見を聞くだけの機関として、処分決定は社長が行うという運用も可能です。


誤りやすい場面①自宅待機? 休職? 出勤停止?

「処分が決定するまで自宅待機だ!」もしかすると、このようなことを言われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして、その間は当然無給だと…。

一般的に、懲戒処分の対象となる就業規則違反が発生した場合、賞罰委員会の開催など企業がその処分を決定するためには、ある程度の時間が必要です。

この場合、懲戒の対象となっている社員を通常通り勤務させるのはいかがなものか、という事態が発生することがあります。たとえば、他の社員への影響や証拠隠滅の恐れなど業務に支障が生じるケースです。

賃金を全額保障した自宅待機であれば問題ありませんが、賃金を減額する(休業手当として6割など)、あるいは賃金を支払わない場合はどうでしょうか。

判例によると、賃金を減額することについては、不正行為の再発や証拠隠滅の恐れがある場合など、緊急かつ合理的な理由か、懲戒規定上の根拠が存在しない限り認められないようです。

また、自宅待機期間中の賃金を支給しないことは、懲戒措置の一つである出勤停止同様の処分となるため、事実上「自宅待機」という単純な業務命令ではなくなり、後述する“懲戒併科の禁止”に抵触しますので注意してください。



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