HOME > 事務所だより > 執行役員制度を考える !!~雇用契約の場合は“労働法”が適用~

事務所だより

休憩時間は労働時間ではない… !
● 2012年7月号

執行役員とは… !

日本における「執行役員」とは、取締役会または代表取締役の意思決定に基づき、業務執行を担当し、業務執行の責任の地位に立つ使用人としていることが一般的です。
この執行役員には、取締役や監査役を意味する「役員」という用語が使われていますが、「執行役員」はあくまでも使用人であって、株主総会で選任される取締役や監査役ではありません。
一部の企業では、執行役員を“委任契約”としているところもありますが、ほとんどの企業は雇用契約を維持したまま、執行役員に任命しています。一方、取締役等(法定役員)は委任契約(使用人兼務役員を除く)となり、雇用関係は有しません。

よって、主たる適用基本法は「執行役員」が労働法であるのに対し、「取締役等」は商法です。企業における執行役員制度がどのような形態であっても、執行役員は会社法上の機関ではなく、その他の法律にも明確な根拠や定義はありません。慣習的に取締役等と同様に処遇していると、場合によっては労働法に抵触し、コンプライアンス違反となってしまうことがあります。


執行役員の実態… !

執行役員制度の具体的な内容は各企業によって異なり、またその身分(契約形態)を委任契約としてより取締役に近いもの、労働契約により社員(労働者)に近い、あるいは同等のものなど、さまざまです。
そうなると、その処遇制度については個別に考えていかなければなりません。委任契約の場合は、取締役等に準じた処遇制度が準用できますが、労働契約の場合は、一般社員よりレベルアップした人事制度により、評価や処遇を決めていく必要があります。

企業によっては、執行役員を取締役候補者として明確に位置づけているような場合や、執行役員に、業務執行上の権限をかなりの範囲で委譲している例があります。
なかには、単なるポジション不足を理由に、執行役員という肩書を与えているケースもあるようですが、組織上の実効性は別にして、個人のモチベーションアップにはなっているようです。このあたりが日本的なところかもしれません。
1997年6月にソニーが日本企業で初めて執行役員制度を導入し、すでに15年が経過しました。大規模な取締役会、取締役と部門長との兼任、内部昇進者優位といった問題を含め、大企業を中心に取締役会が実質的な意思決定機能を果たしていないという問題解決のために、執行役員制度が発展・浸透してきましたが、中堅・中小企業における執行役員制度導入の是非は、これからが本番のようです。


...次のページへ続く...


「事務所だより」等に関する疑問・質問など、お気軽にお問合せください。

お問い合わせこちらから
ページ上部へ